夢中になるものがあると人生が変わり、豊かにしてくれると思っている。
私は会社を始めてから、たくさんの夢中があった。
例えばソフト開発の起源になった出来事がある。
会社を立ち上げた当初、現場仕事を友達も手伝ってくれていた。
その友達が、ある日若い子を連れてきて、
『こいつにソフト開発をやらせたい、もう仕事をとってきた。
会社には迷惑をかけないから。』
とても悩んだが、その若い子はソフト開発はまだこれからの人だがやる気は人一倍あると
説得され、畑違いの仕事だったがスタートした。
クライアントから総金額の半分(着手金)を先に頂いたのだが、
最初だから若い子にすべて払ってほしいと言われ、そのようにした。
ところがソフト開発の進捗状況が見えないし、次第に連絡も取れなくなってしまった。
友達にどうするんだと問い詰めたが、僕はソフト開発なんてできないから~
と逃げるように辞めていった。
会社として受けている以上、きちんと納品しなくてはいけない。
納期も迫っているし、とても焦った。IT関係の人脈もお金もないし、お客様に頭下げることも考えたが
会社としての信用が失われることのほうが怖かったので、自分がやるしかない。
覚悟を決めた瞬間だった。
そこからあらゆる文献や本を買って勉強しながらソフト制作を必死にやった。
本の厚みが倍に膨らみ、ちぎれてボロボロになるくらい見た。とにかく必死だった。
ところが少しづつ形になってくると、楽しくなってきて、いつの間にか夢中になっていった。
必死が夢中に変わった瞬間、世界が変わった。
気づいたら、24時間以上パソコンと向き合っていたことが何度もあったが、不思議と眠くないし辛くもない。
そういえば本田宗一郎がHONDAの創業時代にバイクを3日間眠らず夢中になっていじっていて、周りの人が
交代で隠れて睡眠をとったり食事していたという話を聞いていたが、その気持ちはとてもよくわかる。
結局、ソフトは納期には間に合わなかった。頭を下げに行き、必ず納品するのであと1か月待ったほしいとお願いした。そして完成させ納品した。もちろん残りの代金はご辞退したが。。
ネットワーク事業部はこのことから始まって今がある。まさか自分がソフト開発するとは
夢にも思わなかったことが、現実となった人生は面白い。
夢中になるとは人生が変わるぐらいのパワーがあると私は今でも信じているし
皆にも説いている。。
コメント